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お灸
お灸・・・1
年配の方に叱られた時、「やいとをすえるぞ!」と言われたことありますか?
私の思い出ですが、高校時代(それほど昔じゃありませんよ)、余りの出来の悪さに、数学の教師(これが厳しいおばあちゃん先生で)「こんな答案じゃ、やいとするぞ!」と怒られて、「ごめんなさーい」と叫びながら、廊下をバタバタ走って逃げたことがあります。
この「やいと」という言葉。「焼処」と書きます。もぐさに火をつけて、患部をあたためる行為なのですが、過ぎると熱いため、お仕置きとしても使われていたようですね。
「やいと」という言葉を知らない方でも「お灸をすえる」という言葉を聞いたら、「ああ」と思い浮かべるかもしれません。
お灸・・・2
日本人には有名な松尾芭蕉ですが、彼が書いた『奥の細道』には「もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里 に灸すゆるより...」とあります。
昔の旅は徒歩ですよね。そのため、足の疲れ対策に、お灸をすると書いてあるのです。昔から日本人は足にお灸をすることによって、足の疲れを癒していたのですね。
では、足の疲れに効くお灸はどこにすればいいのでしょうか。先ほどの松尾芭蕉の文章をもう一度読んでみてください。三里に灸すゆる・・・とありますね。そう、この「三里」という言葉。距離のことではなくて、お灸をする場所なのです。
お灸・・・3
「三里」以外にも、足の疲れによく利くおすすめの場所があります。こちらは、自分ひとりでするのは難しいので、家族に手伝ってもらうといいでしょう。
その場所は、「腎兪」(じんゆ)といいます。背中にあります。(自分で灸をするのは難しいでしょう)両腕を体の横につけます。その両腕の肘をむすぶ線上に交差する背骨の突起の下にあります。背骨から指の横幅二本分の距離で左右にあるので、お灸を二つすえることになりますね。
足の疲れのみならず、体全体の疲れにもきくと言われているので、旅や歩き疲れ以外に、仕事の疲れやストレスを感じたときにもおすすめです。
お灸・・・4
お灸は火を使うから、危ないじゃないの?とか、背中のツボにうまくお灸ができるか心配と思われている方もいるでしょう。でも、大丈夫。自分でする人用に、火を使わないお灸も出ています。
例えば、有名なところでは「せんねん灸 太陽」。こちらは、火を使わないタイプです。お灸に発熱剤がとりつけられており、お灸をする時に、パッケージのシートをはずすことにより、発熱します。後はもぐさがじんわりあたたまるので、「三里」や「腎兪」にはればok。こちらはシールで身体にとめることが出来るので、便利ですよ。
他にも、大きめのカイロのようなお灸や、電気で温めるお灸などがあります。旅に持ち歩いて、宿泊先で、足の疲れを癒すのに便利ですね。気分は、風流に松雄芭蕉。それとも軽快に東海道中膝栗毛気分?!